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F1 2019 R10 イギリスGP

前戦オーストリアGPではレッドブル・ホンダのフェルスタッペンが優勝したが、コースとマシンのマッチングが大きな要素となっており、このイギリスGPメルセデスが本命。
特にハミルトンは史上最多記録となるイギリスGP通算6勝目が掛かっており大本命。

予選

予選はQ3の1回目のアタックが事実上のアタックラップとなり、そこでわずかなミスとしたハミルトンは2位。
イギリスGPでの連続ポールポジションは4年で途切れた。
しっかりまとめたボッタスがポールポジションとなった。
3位にはこの週末好調のルクレール
4位にはこちらも好調のガスリー。
5位にフェルスタッペン、6位にベッテル

スタート

今年開幕直前に亡くなったチャーリー・ホワイティングの息子がスターターを勤めた。

ボッタスは無難なスタートを決めトップのポジションをキープするが、ハミルトンのペースが良く、1周目から盛んにボッタスを攻める姿勢を見せる。
ルクレール、フェルスタッペン、ベッテルがガスリーの前に出て5位と続き、その後方では、ノリスがリカルドの前に出て7位。
後方ではグロージャンとマグヌッセンが、接触。両車ピットイン。
結局は両車ともリタイアとなる。
スペインGPに続き、またもやチームメイト同士の接触。これまで静観してきたチーム代表のギュンター・シュタイナーも何らかの決断を迫られることになりそう。

4周目、ボッタスとハミルトンのバトルは続き、一度はハミルトンが前に出るが、ボッタスがすぐに抜き返す。
このあたりからハミルトンの攻撃の手は休まり、一定の間隔を空けたメルセデスの1-2体制が続く。

タイヤ戦略

10周目、ルクレールのペースが上がらない。
タイヤには筋が見え、早くもデグラレーションが発生している様子。ソフトタイヤではやはり厳しいか。

12周目、上位陣では最も早く、ガスリーがハードタイヤに交換。
残り40周、ここからの無交換は難しいそう(ピレリからのアナウンスでは、ハードタイヤの想定距離は30周とのこと)。

13周目、ルクレールとフェルスタッペンが同時ピットイン。両車ともミディアム→ミディアムへの交換。
ほぼ同時のピットアウトとなり、ピットレーンをほぼ併走。最終的にはフェルスタッペンが前に出るが、コースに出るとフェルスタッペンの方はタイヤが温まっていなかったらしく、すぐにルクレールがコース上で抜き返す。
しかし、フェルスタッペンのタイヤが温まるにつれて差は詰まり、若い二人の激しいバトルが繰り返される。

一方、ガスリーと競っていたベッテルは、このタイミングでピットインせず。

16周目、先頭を走るボッタスがピットイン。再びミディアムに交換。
この時点でボッタスの2ストップが確定。これが一つの勝負の綾となった。
ハミルトンは翌周にも入らず、オーバーカットを狙う方向での戦略となった。。

運命を分けたセーフティカー

20周目、ジョビナッツィがコースアウト。セーフティーカーが入る。
ここで、ハミルトン、ベッテルがピットイン。
そしてフェルスタッペンもここで再びピットイン。ハードタイヤに交換。
1周遅れでルクレールもピットイン、ハードに交換するがフェルスタッペンに先行されてしまう。
上位ではボッタスだけがピットに入らず。

24周目に再スタート。
再スタート直前、フェルスタッペンがガスリーに近づきすぎタイヤをロック。白煙を上げる。
そのせいもあったのか、フェルスタッペンのペースが上がらず、ガスリーは抜けず、ルクレールの攻撃を許すことに。

上位の順位は、トップがボッタス。2位にハミルトン。3位はベッテル、4位ガスリー、5位フェルスタッペン、6位ルクレール
ボッタスはもう一度ピットインを行いソフトタイヤに交換する必要があるので、実質的にはこの時点でハミルトンがトップ。
トラブルでも起こらない限り、この時点でハミルトンの優勝は確定的な状態になっていた。

27周目、フェルスタッペンがガスリーの前に出て、ベッテルを追撃開始。
ガスリーはルクレールに追われることとなるが、ここも好バトルが続く。
36周目、ルクレールがガスリーを交わして5位にポジションアップ。

フェルスタッペン、ベッテルがクラッシュ

37周目、ハンガーストレートでフェルスタッペンがベッテルオーバーテイク
その直後、フェルスタッペンを抜き返そうとインを突いたベッテルが追突。
両車コースアウトとなる。
追突されたフェルスタッペンはフロアを傷めたりなどがあったものの走行を続けるが、ベッテルの方はフロントウィングを破損しており、ピット入り口を過ぎていたため、ほぼ丸1周を走った後でピットイン。
審議対象になる。

41周目、ハミルトンがファステストラップ。
ボッタスもペースアップし、3位のルクレールとの差は43周目には20秒となり、フリーストップを得る。

44周目、ハミルトンにピットインの指示。しかし「Sure?」との返答でタイヤ交換をキャンセル。
45周目、ボッタスがピットイン。ソフトタイヤに交換。これで交換義務を果たす。
そして47周目には1分27秒406のファステストラップを出し、メルセデス1-2のポジションを固める。

トップ3の後方では、マクラーレンルノーサインツ、リカルドが争っている。
同じルノーエンジンを使いながらも、コンストラクターズで4位争いを繰り広げるこの2チームの競争も激しい。

フェラーリの不思議な無線

ここで、フェラーリの不思議な無線が公開される。
ルクレールから「ルイスはどこにいるのか?」との問い合わせがあり、チームは素直にハミルトンとの差を伝えている。

一見何の変哲も無いやりとりだが、3位を走るルクレールが30秒近く前方を走る1位のハミルトンの位置を気にするのはおかしい。
バトルの対象は2位のボッタスであること、そしてその差がどれくらいなのかを聞くのが通常。
この質問に対して、チームが素直に回答しているのもおかしく、バトルの対象がボッタスであることを明確に伝えるべき。
一般的なレースであれば(F1以外であっても)、レースの状況は無線でチームから随時伝えられているはずで、このフェラーリの無線のやり取りは、そのような”当たり前のこと”がフェラーリでは行われていないことを示している。
本当ならば由々しきことのはずだが。。。
(これまでも、不満は述べないもののベッテルからはピットからの情報に懐疑を抱いていることを仄めかすやりとりが何度もあり、今回だけの出来事では無いであろうと思われる)

入賞争い

アルボンがミディアムタイヤで厳しい戦いを強いられている。
アルボンには電気系、、、といっても配線の類いではなく、バッテリーに関する問題であり、この類いの問題が発生した場合はピットインが禁止されており、タイヤ交換も行えない状態になっていた。
一時は8位まで上がったが、ライコネン、クビアトにも抜かれて10位。11位のヒュルケンベルグが2秒後方に迫っている。
そしてファイナルラップで、ヒュルケンベルグに抜かれ、10位のポジションも失う。
(更にその後ノリスにも抜かれ12位でゴール)

フィニッシュ

一方、ハミルトンはファイナルラップ、ハードタイヤでファステストラップを叩き出しての優勝。
これでイギリスGP通算6勝目。ジム・クラークアラン・プロストの記録を抜き、単独トップとなった。
2位にはボッタス。先日のオーストリアで連続は途切れたものの、再び1-2フィニッシュ。
3位はルクレール
ベッテル、フェルスタッペンのクラッシュで結果的に上がったものだが、ガスリー、フェルスタッペンとのバトル、ピットの判断ミスを乗り越えての表彰台。
4位にはハードタイヤを40周持たせたガスリー。
5位にはフェルスタッペン。ベッテルの追突でマシンにダメージがある中、このポジションでゴール。
ベッテルは10秒のペナルティもあって周回遅れの16位。
6位にはサインツ、以下、リカルド、ライコネン、クビアト、ヒュルケンベルグまでが10位となった。

次のレースは7/28のドイツGP。
ベッテルの母国GPだが、なんと言っても昨年トップ独走中の単独クラッシュで、レースを失っただけではなく、そこからシーズン全体の流れが完全にメルセデスに流れて行ってしまった曰く付きのレース。
ここで昨年の汚名を返上できるかが、ベッテルにとって、フェラーリにとって大きなターニングポイントとなるレースになるのではないか。