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F1 2019 R16 ロシアGP

夏休み明け

ここ3戦、フェラーリが3連勝。 しかもベルギー、イタリアの高速コースの後、低速市街地のシンガポールでも速さを見せたことで、フェラーリが単なるコース特性によるものではなく、マシンの改善によって強さを手に入れたことがわかった。 そしてロシアGPのソチ。 中速で路面のスムーズなサーキットであり、フェラーリの進化に間違いがなければここでも速いはずというのが下馬評。 そして、金曜・土曜のセッションではその通りの速さを見せ、予選1位がルクレール、3位にベッテルが入った。 予選フロントロー独占は逃したものの、ハミルトンの驚異的なラップによる要因もあり、フェラーリの速さはここでも疑うべくもない。

また、ここではホンダ勢が全車PUを交換。 フェルスタッペン、ガスリーは5グリッド降格。クビアトは全交換で最後尾へ。アルボンは予選のクラッシュで空力パーツの交換も行ったため、ピットスタートとなっている。

決勝スタート

予選終了時点でルクレールが「ストレートが長いので、必ずしもポールポジションが有利とは言い切れない」とコメントしていたとおり、スタートではベッテルルクレールのトゥを使い、2コーナーでトップに立つ。 メルセデス勢はミディアムタイヤを履いたことと、2・4番グリッドからのスタートであったこともあり、蹴り出しが悪く、スタートは悪く、マクラーレンサインツが一瞬前に出るが何とか抑えきる。

この後、グロージャンのクラッシュでセーフティカーが入る。 フェラーリベッテルルクレールの順で1-2。3位にハミルトン。 4位にはマクラーレンサインツが上がり、ボッタスは5位。

再スタート後、ベッテルはファステストラップを連発し、ルクレールとの差を広げる。 ルクレールとハミルトンの差も2秒前後。

フェラーリベッテルを前に出ることを予想していたようで、早々にベッテルに対し、ルクレールにポジションを戻すように無線が入る。 しかしベッテルは「もう2周待って欲しい」「ルクレールにもっと差を詰めるよう言って欲しい」となかなか譲らない。 ルクレールの2秒後方ではハミルトン虎視眈々と狙っており、スムーズに譲れなければ、ハミルトンの先行を許しかねない。 結局フェラーリはこのタイミングでの順位の入替をあきらめることになる。

フェルスタッペンの追い上げ

9番グリッドスタートとなったフェルスタッペンは、スタートで8位に上がると、その後もペレス、ノリスを交わし、17周目にはサインツもパス。 これで5位となり、フェラーリメルセデスの後方に付けた。 トップとの差は約25秒でかろうじてベッテルのタイヤ交換ウィンドウ内か。

ピット戦略~まさかのトラブル

22周目、上位陣の先頭を切ってルクレールがピットイン。ソフト→ミディアムに変更。 その後、ベッテルリアタイヤのグリップダウンを訴えるが、すぐにはピットインせず、26周目にピットイン。 3秒と少し長め(といっても0.5秒くらい)の作業時間となるが、それにはあまり関係なく、ルクレールがトップとなる。 しかし、ここでベッテルにまさかのPUトラブル。 MGU-Kが機能しなくなり、ピットからはマシンを止めるように指示が出る。 14コーナーのコースサイドにマシンを止めたところで、バーチャル・セーフティカー(VSC)が入る。

それを見て、ハミルトンがピットイン。15秒ほどのロスでコース復帰できるため、悠々とトップで復帰する。

ここで気になるのは、TVでも触れられていたが、クルマをあそこに止める必要があったのか。 1周も残り僅かのあのポイントでピットまでたどり着けなかったのだろうか。 ピットまで戻れれば、VSCが入ることもなく、ハミルトンはこのピットインのタイミングでトップに立つことは出来なかっただろう。

さらなる自滅

VSC解除直後、ウィリアムズのジョージ・ラッセルが8コーナーを直進しクラッシュ。再びセーフティカーが入る。 ここでルクレールは一度はピットインせずに周回するが、翌周にピットイン。再びソフトタイヤに交換する。 セーフティカーが出た周にピットに入ればギリギリボッタスの前に出られる可能性もあったが、1周待ってしまったが故に、ボッタスを後ろでコースに戻ることになってしまった。 もしくは、トラックポジションを優先してミディアムタイヤのまま走りきる手段もあったはず。 今日のメルセデスならコース上で抜けると思ったのだろうか。

32周目にレース再開。 ボッタスはペースが上がらないが、それを尻目にハミルトンは独走状態になる。 ルクレールはなかなかボッタスを抜くには至らない。 些細なミスで一度DRSゾーンから出てしまうと、なかなか1秒以内の差を維持するのは難しいようだ。

ファステストラップは

残り5周ほどとなり、フェルスタッペンがフリーストップを得られるチャンスがあった。 実際にはわずか足りないが、相手がアルボンなのでアルボンのペースを落とさせてファステストラップを狙うという戦略もあり得た。 しかし、その様子は見えず、一方、ハミルトンが51周目に1分35秒761というタイムを叩き出す。 翌周、ルクレールもアタックを行うが対抗できるタイムは出ず。

結果

ハミルトンが優勝し、フェラーリの4連勝を阻んだ。 2位にはボッタスで、メルセデスの1-2。 3位にルクレール、以下、フェルスタッペン、アルボン。 6位以下は、サインツ、ペレス、ノリス、マグヌッセン、ヒュルケンベルグと続いた。 トロロッソ・ホンダの地元クビアトは12位、ガスリーは14位に終わった。

ホンダ勢にとっては、PU交換によるグリッドダウンと、アルボンのピットスタートを思えば、考え得る最上の結果。 鈴鹿はもう少しシャシー性能を求められることになるので、レッドブルはより良い結果が期待できそう。

一方のトロロッソはポイント獲得ならず。 ガスリーからノリスまでは13秒ほどなので、それほど大きな差ではないが、今回の問題点を把握し鈴鹿までに対応できるかが大きな分かれ目になりそうだ。