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F1 2019R2 バーレーンGP(2) メルセデスの強さ

ルクレールが大注目を浴びたバーレーンGPでしたが、勝ったのはハミルトン。2位はボッタス。メルセデスの1-2フィニッシュでした。

フリー走行から予選までの全セッションでフェラーリが1-2を独占し速さを見せ続けていたはずなのに、終わってみればメルセデスがファステストラップの1ポイントを除く25+18ポイントを荒稼ぎ。
ここで巻き返したかったフェラーリルクレールが何とか3位を維持しますが、ベッテルは5位に終わりました。

このレースにメルセデスの強さが垣間見えます。
フリー走行から明らかにフェラーリが速さを見せていました。

FP1では2位ベッテルと3位ボッタスの差は約0.7秒。
FP2では2位ルクレールと3位ハミルトンの差は約0.6秒。
FP3でも2位ベッテルと3位ハミルトンの差は約0.6秒。
予選ではこの2位と3位の差を一気に詰めてきます。Q1では約0.5秒、Q2で約0.2秒。そしてQ3ではハミルトンがベッテルに0.03秒と迫ります。

予選後、ハミルトンは「彼らのストレートスピードは高く、僕たちはストレートだけで多くのタイムを失っていた」とコメントし、フェラーリの速さは直線スピードによるものだとの解釈をしました。

jp.motorsport.com

 

その通りに受け取れば、エンジンパワーの差か、コーナーの脱出速度が速くなるセッティングが上手く決まった、ということになると思います。
いずれにしてもこの時点でメルセデスは今回のレースで勝てる可能性は低いことを認識していたでしょう。

レースになっても、フェラーリの優位は変わらないように見えました。
スタートでベッテルが飛び出すも、すぐにルクレールがトップ独走態勢に入ります。
しかし、2回目のピットストップを終えるとハミルトンはベッテルを追い詰めます。
ハミルトンが34周目にピットインすると、その翌周にピットインしたベッテルの差はみるみる縮まり、38周目にはサイド・バイ・サイドから4コーナーからのS字でオーバーテイクします。

ルクレールの好調とメルセデスの苦戦のイメージが強いこのレースでしたが、前述の数字を見てわかるように、メルセデスはレースまでの間に着実にフェラーリとの差を縮めていました。
レース中のファステストラップも、ルクレールとハミルトンの差は0.1秒です。

実はこの傾向、昨年から何度もありました。
メルセデスは金曜日に思った結果が出ない場合でも、その後のレースまでの修正力が高いのです。

そしてレースでは持っている最大限の力を発揮することに注力すると共に、決して無理はしません。
勝ち目がないと思えば、もちろんできる限りのペースでは走りますが、奇策を弄したり、リスクを負った走りや戦略で自滅するということがありません。現状で狙い得る結果を確実に持ち帰ることに集中できます。

逆に、フェラーリベッテルは策を弄し、リスクを負う傾向が見られます。
開幕戦のオーストラリアでも決して無理をするようなタイミングではなかったと思うのですが、いち早くベッテルをピットに入れますがアンダーカットには失敗し、フェルスタッペンにも先行されてしまう起因となってしまいます。
昨年も、中国やドイツ、日本で戦略のミスがあり、その後、ベッテルが不用意な接触を起こし、不調なレース結果に終わるという展開を繰り返してきました。

マシン性能、ドライバーの力量が、F1の最も重要なファクターですが、今のメルセデスフェラーリを比べると、両方の要素が上回っていたとしてもメルセデスに勝つのは難しいのかもしれません。