F1 2019 開幕戦を終えて(レッドブル・ホンダの立ち位置)
なぜF1開幕戦で表彰台快挙のレッドブル・ホンダに涙がなかったのか?
涙なんか流してはいられないでしょう。
第4期として参戦し始めてから5年目。
マクラーレンと3年、トロロッソと1年やってきましたが、マクラーレンも既に一時期のようなトップチームではありません。
2008年のハミルトンを最後に10年間ドライバーズチャンピオンを出していませんし、コンストラクターズは1999年を最後に19年獲得していません。
優勝も2012年の最終戦が最後、表彰台ですら2014年の開幕戦を最後に乗っていません。
トロロッソも、元々ミナルディという弱小チームからレッドブルの資本投入を受けたものの、決して上位チームとは言えない立ち位置でした。
一方で今年からタッグを組むレッドブルは、2005年にジャガーを買収して参戦。
2009年にセバスチャン・ベッテルが加入すると第3戦の中国GPでチーム初優勝(ベッテルは前年イタリアGPで、本人にとってもトロロッソにとっても初優勝を遂げている)、コンストラクターズランキングでも2位になると、翌2010年にはベッテルがドライバーズチャンピオンになると共に、レッドブル自体も初のコンストラクターズチャンピオンになり、この後2013年まで4年連続のダブルタイトルを獲得。
その後、2014年からはエンジンのレギュレーションが大幅に変わりメルセデスが圧倒的な強さを見せるも、コンストラクターズは2位~4位を維持。
2018年もリカルド(今年はルノーに移籍)とフェルスタッペンを擁してメルセデス、フェラーリに次ぐコンストラクターズ3位を獲得している強豪チームです。
そんなチームと組む以上、今年からホンダエンジンになったのでランキングは5位以下でも良い・・・などという訳もなく、最低でもメルセデス、フェラーリに次ぐポジションを目標付けられているのです。
そして昨年までの長きにわたってルノーエンジンを使用してきたチーム。
メルセデス、フェラーリには敵わないまでも、ルノー以下という評価を受ける訳にはいきません。
確かに開幕戦はフェラーリよりも上のポジションでフィニッシュし、表彰台に登ることができましたが、昨年ルノーエンジンでは2人で13回の表彰台、4回の優勝を飾っています。
レッドブルと組む以上は、それよりも上位の結果を求められている訳ですから、1回の表彰台で喜んでいる場合ではないのです。
昨年6月にレッドブルとの契約を発表した時点で、ホンダ側もそれを重々承知の上で契約を結び、この10ヶ月近くの間準備を整えてきました。
ホンダF1の山本部長(当時)は次のようなコメントを残しています。
「プロジェクトに関わる全てのメンバーのモチベーションがこれまで以上に上がると思っていますが、同時に大きなプレッシャーや責任を伴うことも事実です。」
「レッドブル・レーシングの今のパフォーマンスレベルを下げる事になってはいけないというのが、我々の最初の、そして最低限の目標です」
「その先の大きなゴールはさらに高いところにあると思っています」
ホンダにとって今回の表彰台は通過点の一つに過ぎないのです。