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F1 2019R3 中国GP(2)~決勝レース~

終わってしまえば、メルセデスのハミルトンが圧勝という見慣れたレース結果になってしまいました。

スタートはボッタスが良いスタートを切れず、その後ろに詰まってしまったベッテルルクレールに抜かれてしまいます。
ハミルトンはこの時点でトップに立ち、2位ボッタスとの差も着々と広げていき、金曜日の不調は何だったのかと言いたくなるようなレース展開。

フェラーリも、スタートでルクレールが前に出るも、メルセデスを追うほどの速さは見せられず、それどころかフェルスタッペンに迫られる展開。
毎回、ベッテルがバックストレートではDRSを効かせるも抜くには至らない展開に、チームオーダーを発令し、11周目のメインストレートでベッテルを先行させます。
しかし、そのベッテルも、ルクレールよりは速いものの、メルセデスを追うには至らず。

ここから、またフェラーリの戦略の弱さが露呈します。
メルセデスを追えないのであれば、後続のフェルスタッペンを確実に抑えきることに注力すべきであり、そのためにはフェルスタッペンにアンダーカットさせないことに注意を払うべきところだったのですが。
1ストップ戦略であれば、45周は持つと言われているハードタイヤが控えているので、理論上12周目にはタイヤ交換が可能です。実際、ルノーヒュルケンベルグはこのタイミングでタイヤ交換しています。

さすがにそれは早過ぎにしても17周目には入れたはずです。
しかし、18周目にフェルスタッペンが一足早くタイヤ交換。
これに対応するためには、ベッテルを先に入れざるを得ません。しかし、そうしてしまうとルクレールは確実にアンダーカットされてしまうのです。
この間全く何の対応もなく、易々とフェルスタッペンに先行されてしまいました。

それどころか、ベッテルもフェルスタッペンの猛追を受けます。
ピットアウト直後、そしてバックストレートエンドでは一瞬フェルスタッペンの先行を許しますが、クロスラインですぐに抜き返し3位をキープしました。

 

中段争いで注目を集めたのは、トロロッソのアルボン。
FP3でのクラッシュでマシンを交換したアルボンはピットからのスタートであったものの、着々と順位を上げレース中盤にはポイント圏内の10位まで順位を上げ、最後はグロージャンの猛攻を幸運もありながらも耐え忍び、10位をキープ。2戦連続のポイント獲得となります。
チームメイトのクビアトはスタート直後の混乱に巻き込まれ、ペナルティを受けてしまったこともあり、大幅に順位を落とし、結果的にはリタイアでレースを終えてしまいます。
そういう意味でも、ホンダ勢として重要なポイント獲得となりました。
2戦連続3台ポイント獲得は、恐らく1988年の1~2戦目(ブラジル~サンマリノ)以来です(ドライバーはマクラーレンプロストとセナ、ロータスがピケと中嶋悟。開幕戦はプロスト優勝、3位ピケ、6位中嶋。2戦目はセナ優勝。2位プロスト、3位ピケ)。


※この時代はリタイアが多いので、2戦連続で4台中3台完走というレース自体が少ないのです。この年、マクラーレン・ホンダが16戦中15勝という圧倒的な強さでシーズンを席巻する訳ですが、そもそも15戦完走できること自体が素晴しいのに、15戦優勝してしまうというのが如何にこの時代のホンダが強かったかを表しています。


最後に動きがあったのはファステストラップの1ポイントをめぐる争い。
まず、5位のルクレールが6位のガスリーと19秒ほどの差が着いたところで2ストップ作戦への変更を暗示するペースアップの指示が出ます。
しかしそれより早く、ルクレールがピットに入るにしてもコースに残るにしても前に出られることは無いと確信したのか、35周目にフェルスタッペンがピットイン。ミディアムタイヤに交換。
するとそれを見て、ベッテルメルセデス勢もピットイン。
フレッシュタイヤの3人にも抜かれたルクレールも結局はピットイン。これで5位キープとなります。

皆、終盤のファステストラップを狙っていると思われる中、53周目にガスリーがピットイン。これが3回目のピットストップで2周使用済みのソフトタイヤに交換。
54周目をアウトラップとして、55周目にタイムアタック。狙い通り1:34.742の最速ラップを叩き出します。
この2戦、ガスリーは全く振るわず、こんな時期にシート喪失の噂も出るくらいだったので、本人、チーム共々、この結果には安心していることでしょう。

レースはハミルトンが完勝。2位ボッタスで、これで3戦連続メルセデスが1-2。
開幕前テストの評判はなんだったのでしょうか。
3位にベッテル、4位にフェルスタッペン。5位にルクレール、6位ガスリー。
7位にリカルド。こちらもようやく「ベスト・オブ・ザ・レスト」での今季初ポイント。
8位にペレス、9位にライコネン、そして10位にアルボン。

開幕前は「今シーズンはフェラーリメルセデスの好バトルが・・・!」などという期待をしておりましたが、このままではまたしてもメルセデスの圧勝シーズンになりかねません。
次のレースは超高速市街地サーキット・アゼルバイジャン
エンジンに強みがあると言われているフェラーリ、このレースこそは確実に獲っておきたいところです。