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SUPER FORMULA 2019 R3 SUGO(決勝レース)

決勝前

タイヤ選択は、ソフトが、山本、アウアー、牧野、パロウ、ニューウェイ、関口、中嶋の7台。
それ以外の13台はミディアムタイヤスタート。
尚、昨日の予選、牧野任祐、アレックス・パロウは赤旗の原因を作ったということで、タイム抹消。それぞれ7位、8位となった。

サーキットがコンパクトで燃費の良く、セーフティカーの出る可能性も多いここSUGOは無給油作戦も可能。
また、鈴鹿での開幕戦ソフトタイヤの持ちが良いことがわかっているので、実質ソフトタイヤだけで走りきることも可能なくらい(実際にはタイヤ交換義務があるので、ミディアムタイヤを使用する必要がある)。
各車とも、ミディアムでの走行は極力短くする戦略を取ってくるだろう。

レーススタート

スタートは山本、野尻、アウアー、可夢偉の順。
山本はあっという間に複数車身分は突き放す好スタート。
可夢偉は一つ順位を上げている。

そして1周目の終わりから早くもミディアムタイヤ勢が続々とピットイン。
野尻、可夢偉、キャシディ、福住、山下健太、ティクトゥム等々、ミディアム勢は最初の数周で大半がタイヤ交換を終える。

5周目時点で山本、アウアー、牧野の順。
予想ピットタイムは35秒程度。
ソフトスタート組は、タイヤ交換までに、そのくらいの差を作り出す必要がある。
ソフトを長く使いたいと思うので、60周近くまで引っ張ることになるか。

10周目でも上位の順位は変わらず。
その後は、ニューウェイ、平川、パロウ、関口、中嶋、大嶋、マルケロフ。ここまでが未ピットイン。
既にタイヤ交換を終えている、野尻、キャシディは無給油の模様。セーフティーカーが入ることを期待しての戦略か。

15周目、早くもトップの山本は、タイヤ交換済みの最後尾、ティクトゥムに追いつく。
タイヤ交換済み先頭の野尻との差は39秒ほど。
2位アウアーとの差もコントロールしての安定したレースを続けている。

中盤

17周目、山本とタイヤ交換済みトップの9位野尻とのタイム差が36秒に縮まった。
こちらが実質的な優勝争いになっているのかもしれない。

21周目に、唯一ミディアムタイヤのまま未交換だった平川がピットイン。
路面温度が上昇しており、ミディアムとソフトの差はそれほどないとの判断だったが、ここでようやくミディアム→ソフトに交換。

30周目時点でも順位は変わらず。
このあたりから、山本のペースは変わらないものの、他車のペースが1分9秒台に落ち始める。
アウアーの差は開いて4秒以上、タイヤ交換済みの野尻との差も40秒ほどに。

中段争い

後方に目を転じると、タイヤ未交換組の関口と中嶋の6位争いがスタート直後から続いている。
関口はタイヤが温まらないのか、ストレートでウィービングを続けている。
31周目、34周目にも最終コーナーから、OTSを使ったバトルとなるが、関口が押さえ込む。

一方、10位を争うタイヤ交換済みグループのキャシディと小林可夢偉の争い。
36周目、カムイが最終コーナーでOTSを使用し、少し遅れてキャシディも使用。キャシディが何とか押さえ込む。
やはりSUGO、なかなかオーバーテイクには至らない。

40周目、山本がこの時点のファステストラップを叩き出し、2位アウアーとの差を6秒以上、野尻との差も45秒ほどに広げ、更に盤石な体制を築き上げる。

45周目、関口と中嶋、キャシディと可夢偉のバトルはまだ続いている。
可夢偉OTSランプが赤になり、既に残時間が20秒を切っている。

終盤にレースが動き出す

50周目、5位走行中のニューウェイがピットイン。
しかしここで給油中、燃料に引火。消化器ですぐに消し止められたものの、ニューウェイはリタイアとなってしまう。
これを口火にレースが動き出す。

51周目の1コーナーで小林可夢偉がキャシディをオーバーテイク
そしてこの周の終わりで、トップの山本、関口、牧野がピットイン。
その後も続々とレーススタート時ソフトタイヤ組がピットイン。

牧野がそのピットアウト時にコースアウト。
その後も挙動がおかしい。
マシンが振られ、最終コーナーも曲がれずにコースアウト。しかしピットには入らずに走行を続く。

55周目、パロウだけが未ピットイン。
実質トップは山本、2位アウアー、以下、野尻、可夢偉、キャシディ、福住、山下、石浦、国本、塚越と続く。

セーフティーカー

56周目、野尻がアウアーのインを突くが、挙動を乱し1コーナーでコースアウト。
後輪だけがサンドトラップにはまってしまい、マシンを動かすことができずリタイアとなる。
ここで、マシン撤去のためにセーフティーカーが入る。
アウアーはこのタイミングでピットイン。

58周目時点、セーフティカーが入っている状態で、トップは山本、2位アウアー、3位可夢偉、以下、キャシディ、福住、パロウ、山下、石浦、国本、塚越と続いている。
序盤からバトルを続けていた中嶋は12位。13位に牧野、14位に関口がいる。
牧野は2回目のタイヤ交換をしたことで元のペースに戻っている。

60周目、関口がピットイン。再びソフトタイヤに交換。
レース再開後に一気に追い上げようという戦略。
このタイミングでセーフティカーのランプが消え、61周目から再開ということになる。

連続セーフティーカー

SPインコーナーの時点で山本がペースアップ。一気に後続を突き放しての再スタート。
タイヤが冷えた状態からの急なスタートでバランスを崩したのか、SPで坪井がコースアウト。
再びセーフティーカーが入る。

66周目にようやくセーフティーカーがOUT。
今度は山本、馬の背の入り口から加速。
2位のアウアーとの間には周回遅れのティクトゥムとマルケロフがおり、この2台は山本に全くついて行けず、山本は更に差を広げる。

その2位のアウアーの背後には可夢偉が迫り、周回遅れとの絡む中、S字アウトからアウアーをパス。
2位可夢偉、3位アウアーとなる。
以下、キャシディ、パロウ、福住、山下、石浦、国本、塚越と続く

そして、ファイナルラップ
アウアー、キャシディ、パロウの差が縮まるが、結果的にこのままでゴール。

RESULT

山本尚貴は盤石の勝利。これで通算7勝目。
2位に小林可夢偉、3位にルーカス・アウアー
以下、キャシディ、パロウ、福住、山下、8位に石浦が入った。
※尚、パロウはSC再スタートで違反があったとのことで35秒のタイム加算があり、9番目にゴールした国本が8位となった。

レース後のインタビューでの山本のコメントが印象的だった。
「速いものが勝ちきるというのがフォーミュラレースの真骨頂」
まさにそれを体現したレースだった。

これで山本は開幕から2位、2位、1位(PtWで1pt加算)で、27ポイント。
2位のキャシディは16ポイントで早くも1レースでマークできる最大ポイント分の差をつけた。
次は未だ一度しか表彰台に乗っていない富士(2013年に3位)。
これまで通算7勝のうち、鈴鹿が5勝、SUGOが2勝なので、強さを見せるという意味では、それ以外のサーキットでも結果を残したいところ。
また、他のドライバーの奮起も期待したい。

何よりも、「良いレースが見られること」がSFを応援するものにとって、一番期待していることなので。